Theme Talk 06

舞台は世界へ

「お客さま第一」の文化を共有。
豪州運用会社First Sentier Groupとの
強力なパートナーシップが、
グローバルビジネスを加速させる。

Talk Member

1990年入社。2022年より常務執行役員 受託財産副部門長・アセットマネジメント事業長。

First Sentier Investors (現 First Sentier Group)CEO。オーストラリア証券取引所上場企業であるCover-More GroupでCFO、COOを務めた後、2017年FSIに入社。2018年より現職。

※所属はインタビュー当時のものです

お客さまに対する「受託者責任」
その共通する哲学でパートナーシップによるグローバル成長を強化

川上

三菱UFJ信託銀行は、2019年にFSI(現First Sentier Group)を買収しました。私たちは当時から、資産運用事業をMUFGの中核事業として考えており、ビジネスを世界的に成長させるためには「運用能力」と「グローバル拠点」という両方の観点が必要だと考えていました。FSI にはその両方が備わっていたんです。FSIの買収後、三菱UFJ信託銀行は、多様な地域にお客さまを持つFSIとのタッグにより、グローバルな運用能力を持ち、海外拠点や海外のお客さまとのリレーションを築くことができました。

マーク

そうですね。シドニーに本社を置き、シンガポール、香港、ダブリン、エディンバラ、ロンドン、ニューヨークなどの市場を広くカバーするFSIにとっても、この連携は非常に大きな成長機会でした。私たちがビジネスを構築し、成長させていく中でやろうとしてきたことは、最終的にお客さまの利益になることです。三菱UFJ信託銀行と交流する中で資産運用に関する哲学が非常に似ていることも知りました。

川上

お客さまの利益になるために、重視してきたのはどのような点がポイントだったのでしょうか。

マーク

私たちが常に意識しているのは、「私たちがやっていることがお客さまにとって本当に意味があることなのか」ということ。この「意味がある(=関連性がある)」という考え方はとても大切で、長年成果を出してきた当社の運用チームに目を向けると、成功のヒントが見えてきます。それは、高品質、お客さまとのつながり(関連性)、他社にはない強み(差別化)。この3つを大事にすることで、お客さまに対して誠実で、価値ある商品を提供し続け、結果として会社にも長く利益をもたらしているのです。

川上

FSIを買収する前に、多くのファンドマネージャーにお会いしました。そこで私は、あるファンドマネージャーから「あなたの会社のどこが気に入っていますか?」と尋ねられました。私は逆に彼に、「あなたこそ、会社のどこが気に入っていますか?」と尋ねたのです。すると彼はお客さまの利益にならないのであれば、たとえ株主や上司であってもノーと言える文化が好きだと言いました。非常に共感できる言葉でしたね。「お客さま第一」という文化・哲学の共有が、パートナーとして踏み出せた決め手でした。資産運用はお客さまの資産を守り、価値を最大限にする仕事。当社の社員は信頼されるべきプロフェッショナルでなければなりません。

マーク

その通り。信託銀行として第一に考えるのは、お客さまに対する受託者責任(Fiduciary Duty)で、これは私たちにとっても重要な哲学ですから、私たちは良いパートナーになれるだろうと、早い段階で感じました。こうした共通の哲学をベースに戦略や目標を話し合い、お互いの理解を深め、協力体制を築くことができましたね。

川上

パートナーシップによって私たちは多くの効果を発揮してきました。例えばFSIが運用する商品を、三菱UFJ信託銀行を経由して日本でも展開したり、サステナブル領域への強化に向けて、その領域に強みのあるFSIの深い知見を活用して、ロンドンを軸に共同で研究所をバーチャル組織として設立したりもしました。ほかにも多くのグローバルなコラボレーションを行いましたね。

マーク

FSIはオーストラリア・シドニーに本社を置く企業ですが、実際には世界中の多くの国に拠点を置き、それらすべての市場をカバーしています。FSIの一員として私が気に入っていることのひとつは、複数の市場で働き、キャリアを通じてさまざまな方々やお客さまとお会いする機会が得られることです。

川上

買収発表直後には一緒に出張しましたね。私たちはすべてのオフィスを訪問し、社員とのタウンホールミーティングを開催し、いくつかの場所ではお客さまとも会いました。あらためて我々のビジネスが非常にダイナミックかつ多様で、エキサイティングであることを実感できた出来事でした。

人財交流による成長機会の創出
「プロフェッショナリズム」「誠実さ」「多様性」がカギ

川上

人財交流が生まれたことも大きな機会でした。研修と出向の二つのプログラムで、三菱UFJ信託銀行の担当者を、例えばFSIのインフラチームや投資家チームに派遣して、運用・ビジネスについて学んだり、FSIの一員として世界中で働いたりする社員が増えてきました。今後も三菱UFJ信託銀行の社員たちにそのような機会を広げていきたいですね。

マーク

もちろんです。出向プログラムは、非常に良いアイデアだと話しましたね。それは、お互いのビジネスや人財についてよりよく知る機会を与えるだけでなく、お互いの文化や価値観をよりよく知る機会となるからです。今後もこのような機会を増やしていきたいと思っています。

川上

研修や出向のプログラムは、社員の成長を後押しするものと考えます。資産運用ビジネスは、「人」の仕事であるからこそ、社員の教育は極めて重要と思います。

マーク

当社のようなビジネスは人財によって成り立っています。FSIは「社員および彼らの個性・知性こそが資産」だと考えています。だからこそ採用と教育には力を入れてきました。適切なトレーニングと経験を提供し、社員がキャリアを通じて当社とともに成長し続けることに力を注いできました。

川上

私たちの資産運用ビジネスは、「人」の仕事であり、お客さまの資産を管理するもの。だからこそ、常にお客さまの最善の利益のために、受託者責任(Fiduciary Duty)を第一に考えなければならない。私たちも一人ひとりが誠実かつプロフェッショナルであることを何よりも大切にしています。お客さまのために正しいことをすること、または他の人のために正しいことをすることに興味がある人にとって、資産運用は最適のビジネスです。そういう人たちにぜひ三菱UFJ信託銀行に就職してもらいたいですね。

マーク

それに加えて、多様性もビジネスには不可欠です。FSIには心理学、歴史を学んでいた人やエンジニアなどが同じ運用チームに在籍し、さまざまな才能を融合してチームを成功に導いています。

川上

多様性を認め合う文化から、組織の成長や成功は生まれるもの。三菱UFJ信託銀行でも性別関係なくファンドマネージャーやアナリストを増やし、ジェンダーの多様化をこれまで以上に進めています。