私の説明に耳を傾けていた5人のお客さまの表情がやわらぎました。正面に座っている人事部長は小さくうなずきながら「うん、いいね」という表情。「提案の内容をかなり評価していただいている!」そう感じた瞬間、これまでの半年間、この会社の新しい年金制度をつくるため、ひたすら提案を繰り返してきた日々が頭の中を駆けめぐりました。「いやぁ、ここまでつくり込んでいただいて本当に感謝しています。」初めのころは厳しい意見の多かった担当者からも、ねぎらいの言葉が。「誰よりもお客さまのことを理解し、本当にお客さまのためになる年金制度を考え抜いた」その熱意が通じたと感じました。同行していた年金数理人(アクチュアリー)の上司も笑顔を見せています。私の作成する資料や提案書に常に的確なアドバイスをくれ、今日まで見守ってくれたこの大先輩にも感謝です。
企業年金など退職給付に関する制度設計のコンサルティングを行う部門で、お客さまを担当するようになって3年になります。少子高齢化が進み、終身雇用など旧来の労使慣行が変化する中、企業では年金制度の抜本的な改革が進められています。確定給付企業年金法をはじめとする年金関連の法律から税法、企業会計ルールまで、この仕事をとりまく環境が大きく変化していますから、たえず新しい知識をインプットしていく必要があります。しかも知識があるだけではまだ不十分で、新しい制度をつくる上でその企業にとって真に必要なものは何かを見つける“眼”を持つことが大切。その上で、お客さまとの対話の中でニーズをくみ取りそれを形にして提案する“コミュニケーションスキル”も求められます。3年前は上司の指示を受けて提案書の一部分を作成していただけの私でしたが、今では提案全体を一から任されることも増えてきました。
入社後は投資信託に関する市場調査などの業務を2年ほど経験しました。次の1年半は支店で個人のお客さまの資産運用相談(テラー)を担当。銀行業務の基礎を覚え、営業の面白さを知りました。そして次のキャリアでは、リテールだけでなく法人のお客さまも担当してみたいと希望していたところ、現在の年金部門へ異動となりました。私が入社以来心がけているのが、"今の自分にできる最大限を積み重ねていく"こと。そして徐々にその範囲を拡げていくこと。特に年金制度のコンサルティングでは、制度上の問題点を解決するための検討を積み重ね、長い時間をかけてパートナーとしての信頼関係を築くことが重要。年金のプロへの道はまだ果てしなく遠いですが、一歩ずつ成長している自分をこれほど自覚できる仕事はないのでは?と感じています。












