変革期の企業年金制度管理

企業年金制度とは、国の年金に加えて、企業が従業員のために独自に掛金を積み立て、給付を行うものを指す。信託銀行が行う年金業務は、各社の企業年金制度を支えるとともに、その企業で働く従業員一人ひとりの老後を支えている。
また、平成12年の退職給付に関する会計基準の変更、平成13年の確定拠出企業年金法の施行、平成14年の確定給付企業年金法の施行と、近年、企業年金を取り巻く環境は大きく変化している。会計基準の変更にともない、年金制度は企業決算に多大な影響を与えるものとなった。さらに新法の施行により、これまで我が国の企業年金の柱の一つであった適格退職年金制度が他制度への大規模な移行を迫られることとなるなど、年金に対する取組みは企業の経営戦略、ひいては日本経済全体にも大きな影響を与えている。
高齢化社会の進展や国の年金の給付削減、そして一連の制度変革といった環境下において、この年金業務の社会貢献度はますます大きくなっているといえる。
当社では、資産運用・資産管理業務とともに、年金制度の運営に必要な制度管理業務やコンサルティング業務を強化し、社会からの期待に応え続けている。
企業年金制度は、「従業員はいつ退職し、いくらの年金を、何年受給すると見込まれるか?これに必要な掛金、資産(債務)はいくらか?」という制度の根幹に関わる点について、確率・統計などの数理的手法を用いた計算を行い、その結果に基づいて運営されている。また、会計基準の変更により、退職給付の債務額は企業損益に直接影響を与えることとなった。このような企業年金制度の運営や企業会計のために必要かつ重要な掛金計算、債務評価を行い、さらに、数理的専門性を活かした年金制度設計のコンサルティングを行うプロフェッショナルが年金アクチュアリーと年金数理人である。
年金アクチュアリーになるためには、日本アクチュアリー会が実施する試験に合格する必要がある。試験内容は1次試験が数学中心、2次試験が実務法規中心であり、難関資格として知られている。年金数理人は、アクチュアリーの資格を持ち、年金数理の実務経験5年以上の者がなることができる。企業年金の大きな柱である、厚生年金基金制度、確定給付企業年金制度においては、厚生労働大臣への数理計算の申請書類には必ず年金数理人の確認が必要である。
近年、年金アクチュアリーや年金数理人への社会的ニーズは、年金数理計算、退職給付債務計算に加え、数理的能力に裏付けされた制度コンサルティングにおいて高まっている。当社では、数理的能力はもちろん、コンサルティング業務に必要な問題解決能力・説明能力を兼ね備えたオールラウンドな人材を求めている。
アクチュアリー試験は基礎科目(5科目)と専門科目(2科目)の2段階で構成されている。基礎科目は「数学」「生保数理」「損保数理」「年金数理」「会計・経済・投資倫理」の5科目であり、数学を中心とした試験である。専門科目は法令などの実務的な専門知識を問う難関試験だと呼ばれており、合格する場合においても、5年はかかると言われている。年金アクチュアリーを早期かつ確実に育成するために、当社では特別受験生制度を設け、社員の資格取得をサポートしている。
アクチュアリー特別受験生になることを希望し、認定されると、年金部門への配属となり入社後すぐに専門的な業務に従事できる。また、社外講座の受講や試験前の準備休暇など、資格取得のためのバックアップ体制も整っており成果を挙げている。
三菱UFJ信託銀行の特別受験生制度はいわば年金アクチュアリーになる近道である。
