信託銀行の業務の柱は大きく「銀行業務」「信託業務」「併営業務」から成る。銀行という名はついているが「銀行」業務はあくまで業務のひとつの柱に過ぎない。
信託銀行では、各種預金や企業向け設備資金の貸付、個人のお客さまに対する住宅ローンといった融資業務に加えて、たとえば、企業年金制度を立ち上げたいと考えている企業の設立に向けたコンサルテーションを行ったり、巨額の年金資金の運用・管理を行ったり、不動産の証券化をアレンジしたり、株式を発行している企業に代わって会社の株式に関する事務を代行したりといった、信託銀行固有のサービスを組み合わせることによってお客さまのさまざまなニーズにお応えしていくことができるのである。

銀行業務はシンプルに言えば金利ビジネス。
預金や市場から調達した資金を企業などに貸し付ける。その金利の差によって利益を得るビジネスである。扱うマーケットによって都市銀行、地方銀行、信用金庫などの違いはあるが、おおむね収益構造としては同じだ。一方、信託銀行の場合、こうした金利ビジネスに加えて、不動産仲介、証券代行などの手数料(非金利)ビジネスがさらにサービスラインナップとして顔を揃える。もとよりターゲットとする顧客の資産は現金に限らない。多彩なサービスメニューを持つ信託銀行だからこそ、そのビジネスフィールドは広く、顧客にとって最適なポートフォリオを組むことができる。

「何でもやりたいことができますよ」「ライバルは他の金融機関ではなくて異業種ということもあります」「社内にいくつもの会社があると考えて問題ないです」と社員が言うほど、信託銀行の業務の幅は広い。それぞれの業務分野で、他の信託銀行だけでなく、都市銀行、生命保険会社、証券会社、さらには不動産会社などの業界トップクラスの企業がライバルになってくる。信託業務については約80年ぶりに法改正が行われお預り出来る資産が拡大した一方、一般企業の信託業務参入が可能となっているが、他の追随を許さない専門性と蓄積されたノウハウで存在感を増してゆく。
